夕食の片付けで、お皿は食洗機に入った。でも、フライパンと大きなボウルがシンクに残る。そんな場面を想像すると、食洗機の選び方で知りたいことが少し具体的になります。反対に、毎回の食器は少なく、こまめに洗いたい家庭もあるでしょう。その場合は、最大容量だけでは使いやすさを決めにくいかもしれません。

ところで、カタログでは浅型・深型・フロントオープンという言葉を見かけます。ただ、これらは同じ基準で並んでいるわけではありません。つまり、浅型と深型は主に庫内の深さの違いです。一方、フロントオープンは扉を手前に倒して開く方式を表しています。なお、浅型・深型で比べられることの多い引き出し式は、呼び名がメーカーで違います。たとえば、パナソニックの商品比較表では「プルオープン」と分類されています。

そこで、名前だけでどれが上かを決めるのはやめておきましょう。むしろ、いつもの食器をどう入れ、どこで取り出すかを見るほうが選びやすくなります。今回は、キッチンに組み込むビルトイン食洗機が対象です。四つの場面から違いを整理します。

一度に洗う食器と鍋

まず思い浮かべたいのは、家族の人数よりも、一回の食事で並ぶ食器です。たとえば、同じ二人分でも、丼とコップで済む日があります。一方で、主菜の皿、小鉢、汁椀を使う日もあり、量も形も違います。さらに、朝のマグカップや弁当箱を夜にまとめて洗うなら、それらも含めて考えます。

表示の点数は「目安」として読む

メーカーが表示する食器点数は、決められた標準食器などを基にした目安です。そのため、普段使う深い鉢や大きな皿が、表示の点数どおり入るとは限りません。そこで、容量の数字は、どんな食器を並べた写真かと一緒に見てみましょう。すると、日常との違いに気づきやすくなります。

食洗機の選び方は、同じ型の中の違いまで見る

引き出し式の浅型は、庫内が比較的浅いタイプです。これに対して深型は、庫内の高さに余裕を持たせたタイプです。そのため、食器と調理器具を組み合わせて入れたいときの候補になります。ただし、深いからといって、どんな鍋でも入るわけではありません。カゴの形、入る皿の直径、鍋の取っ手が収まる位置などは、機種ごとに違います。

また、フロントオープンは、扉を倒した後にカゴを引き出して食器を入れます。たとえば、リンナイの公式案内には上下二段のカゴを備えた機種があります。段を分けて使える構成です。とはいえ、段数やカゴの配置は製品によって異なります。だから、「フロントオープンなら全部同じ」とは考えないでください。候補機種の中を見比べましょう。

測っておきたい物と、手洗いする物

たとえば、毎日使うフライパンは、直径に加えて取っ手までの長さを控えます。同じように、鍋は直径と高さ、皿は一番大きな物の直径を測っておきます。なお、写真を撮るなら、夕食後に洗う物を並べた状態がおすすめです。棚に重なった食器より、量と形が伝わります。

ここで一度、機械で洗う物と手洗いする物を分けてみてください。というのも、食洗機に対応していない食器や調理器具もあるからです。たとえば、大切な器を手洗いで使うなら、容量の計算に入れなくてかまいません。そのうえで、食器と食洗機の両方の表示を確かめ、実際に入れる物を決めます。

また、「平日は食器中心、休日は鍋も洗いたい」という使い方もあるはずです。このように二通りを想像すると、大きさを優先したい理由がはっきりします。逆に、少量を何度か洗いたいなら、運転コースや所要時間を候補ごとに確認しましょう。つまり、一日の中でいつ回すかまで考えると、必要な機能が見えてきます。

扉を開けたときの通路

食洗機は、閉まっているときにはキッチンの一部に見えます。しかし、使うときには引き出しや扉が手前へ出てきます。だから、二つの点を別々に見ておきます。本体が納まるかどうかと、開けた状態で無理なく動けるかどうかです。

立つ位置と、背面収納との関係

引き出し式なら、引き出した庫内の前や横に立ち、上から食器を入れる動きを試します。一方、フロントオープンなら、倒した扉と引き出したカゴの位置を見ます。そのうえで、どこに足を置けるか、下段に手を伸ばしやすいかを確かめましょう。なお、同じ機種でも、身長や姿勢、利き手によって使いやすさの感じ方は違います。

さらに、背面に食器棚があるなら、食洗機と同時に開ける場面も想像してみましょう。洗い終わった皿を戻すために、いったん食洗機を閉める必要があるのか。それとも、横に立ってそのまま移せるのか。これは、幅の数字だけでは分かりにくい毎日の動きの違いです。

また、二人で片付ける家庭もあるでしょう。その場合は、一人が食器を入れている間に、もう一人が冷蔵庫やごみ箱へ行けるかを見ます。さらに、子どもがよく通る場所なら、開いた扉と通り道の重なりも確認します。ただし、扉を開けっぱなしにする想定ではありません。あくまで、食器を入れる短い時間の動きを具体的に考えます。

通路の幅と、交換するときの確認

必要な通路幅を、どの家にも共通する一つの数字で決めることはできません。そこで、機種の開閉寸法に、立つ場所や背面収納の開き方を重ねて確認します。たとえば、図面で相談するときは、本体寸法だけで終わらせないでください。扉やカゴを最大まで開いた図も見せてもらうと分かりやすくなります。

なお、新築時に選ぶ場合と、今の食洗機を交換する場合では、確認の出発点が異なります。交換では、キッチンの高さや奥行き、給排水や電源などの条件が関係するからです。そのため、「同じ幅だから交換できる」とは決めないでください。むしろ、現在のキッチンと機種に合わせて施工担当者へ確認しましょう。

入れ方と手入れ

大きな庫内でも、食器を重ねて詰め込むだけではうまく洗えません。つまり、水が汚れた面へ届くよう、指定された位置と向きに入れるのが基本です。だから、カゴの仕切りが普段使う皿や茶碗に合っているかを見ておく意味があります。

公式ガイドと取扱説明書で入れ方を確かめる

たとえば、パナソニックの公式ガイドには入れ方のコツがあります。食器を重ねないこと、汚れた面を水が当たりやすい向きにすることなどです。ただし、カゴの形やノズルの位置は機種で違います。そのため、別の機種の写真をまねるのは避けます。購入候補のセット例と取扱説明書で確認しましょう。

また、背の高いボトル、軽いふた、大きなボウルなども、置き方を確認したい物です。というのも、収まって見えても、噴射部分の動きや水の通り道をふさぐことがあるからです。そこで、手持ちの食器との相性が気になれば、展示担当者に寸法を伝えてみてください。

フィルターの外し方と、日々の手入れ

手入れでは、食べ物のかすを受ける残さいフィルターをどう外すかを見てみてください。たとえば、カゴを動かす必要があるか、奥まで手を伸ばすかです。また、外した部品をシンクへ運びやすいかも見ます。これらは機能の名前だけでは分かりませんが、日々使ううえで見逃せない部分です。

さらに、掃除の場所や頻度、使える洗剤などは、機種の説明に従います。運転後に触れてよいタイミングも同じです。同じメーカーでも、卓上型とビルトイン型、発売時期などで案内が違うことがあるからです。したがって、ネットで見つけた掃除方法を、型番を確かめずに当てはめないようにしましょう。

また、洗剤の自動投入機能を検討するなら、補充やタンクの手入れも確認します。すると、使い始めてからの想像がしやすくなります。つまり、機能の多さより、毎回することと、ときどきすることが分かりやすいかを見ます。なお、家族で使うなら、入れ方が一人にしか分からない状態は避けたいところです。

展示で試すこと

ショールームでは、説明を聞いた後に、いつもの片付けを一度まねしてみましょう。食器を置く、扉を開ける、カゴへ入れる、閉める、取り出して食器棚へ戻す。もちろん、展示だけでは再現できない部分もあります。それでも、自分が何を確認したいのかを伝える助けになります。

試すときは、次の四つを短いメモにすると比較しやすくなります。

  • よく使う皿や鍋は、どの位置へ入るか。
  • 扉とカゴを開けた状態で、どこに立つか。
  • 下段への出し入れやフィルターの取り外しに、無理な姿勢がないか。
  • 取り出した食器を、どこへ置いてからしまうか。

手持ちの食器と、比べ方のそろえ方

なお、手持ちの食器を試したいなら、持ち込みできるかを事前に相談してください。難しければ、写真や寸法を用意するだけでも違います。ただし、展示の皿がすっきり並ぶ様子は、自分の食器の収納力とは別に考えましょう。

さらに、候補が二つになったら、選ぶ理由を具体的に書いてみます。たとえば、「容量が大きいほう」とは書きません。むしろ、「夕食の物を入れやすいほう」「下段を扱いやすいほう」と書きます。また、価格を比べるなら、条件をそろえます。本体だけか、扉の面材や工事を含むかです。同じように、節水・省エネの数値も、異なる条件のまま単純に比べないようにします。

食洗機は、食器を集めてからしまうまでの動き全体とつながっています。そこで、まずは今夜使った皿と鍋を思い浮かべ、大きさを一つ測ってみてください。その一つがあれば、浅型・深型・フロントオープンの違いを、暮らしの中で比べやすくなります。


参考情報