駅からの距離は希望に近いのに、現地を歩いてみると坂道が気になる。あるいは、家の前の道は静かでも、車が来たときにどこへ寄ればよいか迷う。このように、豊中で住まいを探すときは気づきがあります。つまり、地図や写真だけでは分からなかった移動のしやすさです。
そこで、坂道や道路幅は、広いか狭いかだけで決めないようにします。むしろ、毎日の移動に当てはめて見ていくことが大切です。あわせて、歩いたときの使いやすさと、建築上の道路の扱いも分けて確認します。今回は、街の印象を自分たちの暮らしにつなげる見方を整理します。具体的には、資料と現地をどの順番で見ればよいかという視点です。
豊中で家を探す前に考えたいこと
まず、家からよく行く場所を書き出してみます。たとえば、駅、買い物先、学校、公園などです。なお、目的地が同じでも、利用する人や時間帯によって歩く速さや荷物が変わります。そこで、休日の身軽な外出だけでなく、平日の帰宅や荷物を持った移動まで思い浮かべます。すると、見ておきたい道が具体的になります。
次に、坂道は上りのきつさだけで判断しないようにします。というのも、行きは下りでも、荷物を持って戻るときは上りになるからです。また、短い坂が一か所あるのか、緩やかな上りが長く続くのかでも感じ方は違います。そこで、途中に休める場所や別の経路があるかも見ておきます。これも日常の使いやすさを考える材料になります。
地域でひとくくりにしない
さらに、同じ町名や駅の周辺でも、通る道によって様子は変わります。そのため、地域全体を「坂が多いから大変」「平らだから便利」とまとめないようにします。むしろ、候補の家から目的地までの経路を一つずつ見ていきましょう。なお、地図で選んだ最短の道が、普段いちばん使いやすい道になるとは限りません。
また、豊中市の「地図情報とよなか」も使えます。ここでは、ハザードマップ、都市計画、公共施設などの情報を確認できます。そこで、まず目的地と周辺の位置関係を整理します。そのうえで、実際に歩いて確かめたい経路を選ぶ入口として使います。ただし、地図で分かる情報と現地で見る必要があることは混同しないでください。掲載情報の種類や更新状況も確認しましょう。
なお、移動手段の前提もそろえておきます。たとえば、普段は車を使うとしても、運転しない日や家族が別々に出かける日があります。そこで、徒歩、自転車、公共交通など、代わりの方法を一つ考えておきます。すると、車で一度通った印象だけで暮らしやすさを決めずに済みます。つまり、すべての場面を完璧に満たすより、困りやすい場面を先に把握することが目的です。
生活環境で確認したいポイント
まず、道路幅を見るときは、人が歩くために使える部分を確認します。たとえば、道全体が広く感じられても、油断はできません。歩道が途切れる、電柱を避ける、車の出入りが重なる。こうした場所では歩き方が変わります。そこで、道の一部分だけでなく、家から目的地まで連続して移動しやすいかを見てみましょう。
また、普段の姿勢を想像すると確認点が変わります。たとえば、子どもと歩く、ベビーカーを押す、買い物の袋を持つなどです。そこで、人とすれ違う場所や、交差点で待てる場所があるかを確かめます。あわせて、段差のあるところで無理なく動けるかも見ます。つまり、道路の広さを数字で知ることに加え、自分たちの歩き方に合うかを確認する視点が必要です。
認定幅員・道路種別・歩ける幅を分ける
さらに、資料で道路を調べるときは、地図ごとの役割を分けます。たとえば、豊中市の「市道路情報マップ」があります。これは、市認定道路の位置や名称、認定幅員を調べる入口です。一方、「指定道路図」は建築基準法上の道路種別を確認するためのものです。なお、認定幅員や道路種別と、現地で実際に歩ける幅は、同じ意味ではありません。
また、豊中市は建築基準法上の道路と敷地の関係についても案内しています。そのため、見た目が道路であることや、車が通れることだけで判断しないでください。つまり、建て替えなどの条件を外観だけで決めないということです。なお、指定道路図で着色がない路線や詳細は、同市の案内では建築審査課の窓口で確認する扱いです。そこで、購入を検討する際は、不動産会社と確認方法を相談しておきます。
一方、坂の途中に擁壁や高低差がある土地もあります。その場合は、眺めや道路からの高さに加えて、質問を残しておきたい点があります。たとえば、敷地への出入りや維持管理です。ただし、外から見た印象だけで構造上の安全性を判断しないでください。むしろ、必要な資料や専門家による確認につなげます。つまり、気になる点を記録することと、自分で安全性を判定することは分けて考えましょう。
通勤・買い物・休日の過ごし方
まず、通勤では、家から駅までの移動だけを見ないようにします。あわせて、信号待ちや駅の入口までの道も見ます。たとえば、駅の近くに着いてから入口まで遠回りする場合があります。また、使いたい入口へ行くために道路を渡る場合もあります。そこで、地図上の距離を比較した後は、普段使う入口を決めて歩いてみましょう。すると、暮らしの流れをつかみやすくなります。
次に、帰宅時の道も確認します。というのも、昼間は歩きやすい場所もあるからです。ただ、夕方以降は明るさや交通の流れの感じ方が変わります。たとえば、坂道の途中や曲がり角で前方を見通せるか。あるいは、無理なく立ち止まれる場所があるか。こうした点を、自分が通る時間帯に合わせて見ます。なお、一度の見学だけで、いつも同じ状態だと決めないことも大切です。
帰り道と移動手段で見方を変える
また、買い物では、店へ行く道より帰り道が手がかりになることがあります。そこで、飲み物や食材を持ち帰ることを想像し、上り坂の長さや横断する場所を確かめます。さらに、近い店と少し遠い店で経路が違うなら、距離だけでなく歩きやすさも比べてみましょう。なお、買い物の回数を変える方法を考える場合は、それを続けられるかも話し合います。
一方、自転車を使う予定でも、坂や狭い区間では押して歩く場面を想定します。たとえば、自転車なら移動時間を短くできるとしましょう。それでも、駐輪場所から家までの出入りや、荷物を載せた状態での扱いやすさは別の確認点です。ただし、道路上で無理な試走をする必要はありません。交通や周囲の人を妨げない範囲で確認します。
さらに、休日の行き先は、公園や公共施設までの往復を一度たどってみましょう。すると、イメージが広がります。なお、近くにあることだけでなく、入口がどこか、途中の坂や横断箇所がどのくらいあるかを見ます。つまり、家の周囲を一周するだけでは経路の違いが分かりません。その違いが、普段の外出先を選ぶ手がかりになります。
現地で確認すると分かりやすいこと
まず、現地では、行きと帰りを同じ道で歩くところから始めてみてください。そのうえで、坂の向きが変わったときの感じ方を比べます。その後で、別の経路も試します。なお、歩いた時間だけでなく、立ち止まった場所や遠回りした理由をメモします。すると、後で別の候補と比較しやすくなります。ただし、急いで歩いた最短時間を基準にする必要はありません。
次に、確認項目を増やしすぎないようにします。たとえば、最初は「上り下り」「歩く場所」「交差点」の三つに絞ってもよいでしょう。坂は長さと途中の休みやすさ、歩く場所は段差やすれ違い、交差点は見通しと待つ場所を確認します。そのうえで、気になるところが見つかったら、その理由と代わりの道の有無を書き添えます。
車と雨の日は分けて考える
また、車を使う場合は、前面道路だけでなく、そこに至る曲がり角や駐車場への入り方も見ます。というのも、車種や運転の慣れによって使いやすさは変わるからです。そこで、「車が入る」と「日常的に出入りしやすい」を分けて考えます。なお、試すときは関係者の了解を取り、安全な方法を相談しましょう。ただし、近隣の敷地を待避場所として使える前提にはしないでください。
一方、雨の日の負担も考えておきたいところです。とはいえ、悪天候のときに無理に現地へ向かう必要はありません。むしろ、通常の天候で側溝や道路のくぼみ、段差など気になる位置を把握します。そのうえで、災害面は公的な情報で確認します。つまり、道路が乾いている日の見学だけで、浸水の起こりやすさを判断することはできません。
なお、豊中市の浸水ハザードマップ案内にも注意書きがあります。着色されていない場所でも、状況によって浸水が生じることがあると示されています。そのため、坂の上なら心配がない、平らな道なら危険、と一括りにしないでください。むしろ、災害の種類や想定条件を確認します。あわせて、家の場所に加え、移動や避難で通る経路も見ておきます。ただし、案内ページの更新日は2021年です。そのため、利用時には最新の地図情報も併せて確認してください。
購入判断で急がないために
まず、見学後は、三つに分けて整理します。歩いて分かったこと、資料で確認したこと、まだ分からないことです。たとえば「坂が気になった」という感想があるとします。これを、帰りの上りが長かった、荷物を持つと休みたかった、と具体的にします。すると、家族とも共有しやすくなります。なお、別の道を使う場合は、増える時間や費用まで含めて比べてみましょう。
次に、道路に関する未確認事項は、暮らしの好みだけで処理しないことが大切です。たとえば、建築上の道路種別、敷地との関係、通行や維持管理の条件などです。これらは、必要な資料を確認して判断します。というのも、個別の建築可否は道幅だけで決まるものではないからです。そのため、記事や地図だけで結論を出さず、不動産会社や担当窓口に確認を進めてください。
最後に、候補を比べる基準は、一つの条件に限らなくて構いません。たとえば「坂がない」「道が広い」などです。むしろ、普段の生活で無理なく使える経路があるかを考えます。あわせて、気になる点を確かめたうえで選べるかを見ます。そこで、まずは家からよく行く場所を一つ選び、往復の道を確かめるところから始めてみましょう。

